塾長おススメ図書、「ミライの授業」をレビューしてみた


この夏、ある人の訃報が私の耳に届きました。

瀧本哲史さん。

投資家でもあり、京都大学で教鞭も取っていた人物。多分、世間的にはそんなにメジャーな人ではないでしょう。

そんな同著者の本を私は、「僕は君たちに武器を配りたい」から入りました。

この本はビジネス書や教養のための書として、これからを生きる若者に向けられた本であり、いつぐらいだったかなぁ、知り合いの塾の先生のおススメで手に取りました。なかなか内容的にも衝撃的な本で、ものすごく私自身啓発されたことを覚えています。

そして「僕は君たちに武器を配りたい」は、“これからを生きる若者向け”とはいっても、一応ビジネス書、20代とか30代向けでした。

そんな著者が14歳の中学生に向けて書いた本がこちらでございます。「そりゃ見ないわけないやろ。」と、発売してすぐ、購入しました。

個人ブログにおける“おススメ本”として、書いたものの(なんと著者の亡くなるちょうど1ヶ月前に書いているのです)、やはりもっと多くの人(特に生徒だよ!)に読んで欲しいと思い、改めてこちらの方に、加筆、訂正を加え、レビューしている次第でございます。

塾に通うある中3は、今年の夏休みの読書感想文をこの本で書いてくれました。彼曰く、

「今まで、未来のことなんて考えたこともなかったけど、考えるとてもいいきっかけになりました。僕は将来先生になりたいと思っています。過去を学び、これからの未来を考えられる先生になりたいと思います。」

以下、個人ブログから転載

今、我々は時代や価値観というものがいとも簡単に書き変わるということを目の当たりにしている。

MDで音楽を聴き、出始めのアンダーアーマーをブカブカに着ていた中学生時代(もやしっ子野球部)、

「いいかい?高卒と大卒の生涯年収はこれくらい違うんだぞ?いい大学に行って、いい会社に入って骨を埋めるのだ!」

先生がグラフを用いて声高に叫んでいた。

「へー!先生、僕もいい大学入れるようにいっぱい勉強する!」

とはそんなにならなかったものの(笑)、その先生の言葉は未だに強く残っている。

今やどうだろうか?

MDはiPodに、そしてガラケーはスマホに取って代わられ、終身雇用はもう維持できないとか言われるではないか。

果てはこの先10年~20年の間に、働く人の半分がロボットに仕事を奪われるという。

平成から令和へ、新たなるパラダイムシフト(ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。)は様々な分野で起こりうることだろう。

だって、誰もこんなに猫も杓子も、スマホもって街中歩いている未来、想像できなかったでしょう?

そんな劇的な変化がこの10年、20年で起きることは間違いない。

そんな現在、そして“ミライ”の話からこの本は始まる。

メイドインジャパンからメイドイン世界へとなった現在、そしてそもそも人間さえ必要なくなってくる人工知能の未来。

そんな未来を“不幸”とみるのか、“希望”とみるのか。

その答えのヒントをこの本は「歴史」に求める。

ガイダンス~君たちはなぜ学ぶのか?

塾の先生を長年やっていると「あーはいはい、出ました出ました!」という質問がある。

それは、「方程式って勉強する意味ありますか?」

「英語使わないのになんで勉強するんですか?」

「学校で勉強したことって社会に出て役に立つんですか?」

塾の先生や学校の先生ならあるあるなのではないだろうか。

私の前でこれらの質問をすると、理路整然となんで勉強するのかを話しするが(それはそれでめんどくさい笑)、「すべこべ言ってねーで勉強やれー!!!!!」ってなる親御さんだったり、大人は多いのではないか?

さすがは14歳に向けた本。まずはこの皆が考える、ある意味本質とも言うべき問題から向き合う。

そこで例として筆者が挙げる人物が、ニュートンとフランシス・ベーコンである。

この本の特徴として特筆すべきところが、「未来を作る5つの法則」として“未来の作り方”を提唱するのだが、すべての法則に過去の人物の伝記を取り上げている。

伝記ものが好きな小学生、中学生は漫画ではないものの、特に楽しく読めると思う。

上記二人の話から、学校は“魔法の基礎”を学ぶ場所と筆者は言う。

1時限目:世界を変える旅は「?」からはじまる

(?の部分は実際に本を読んで、確かめてください!)

さっそく1時限目から“課題解決から課題発見”の時代へというテーマで始まる。

ここで出てくるヘンリーフォードの話が好き。

与えられた課題をガンガンこなす人が日本人だった時代。

それがアジアやアフリカでも出来るようになった現代。

そしてそれがロボットになる未来。

ヘンリーフォードはこう言ったそうだ。「もしも人々になにがほしいか尋ねたら、彼らは『もっと速い馬がほしい』と答えていただろう」と。

人間は馬車を使うのが当たり前だったことを疑い、全く別の道を探っていったフォード。

ここに筆者は“課題発見”の未来を見る。

この章では他にコペルニクス、ナイチンゲール、森鴎外と高木兼寛の話が出てくる(この二人の物語も非常に面白い)。

2時限目:冒険には「?」が必要だ

この章では大村智さん、ビルゲイツ、そしてエジソンの話が出てくる。